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登録日:2012/01/21(土) 15 14 23 更新日:2024/03/23 Sat 14 59 09NEW! 所要時間:約 2 分で読めます ▽タグ一覧 ちっちゃいヘラクレス アニヲタ動物図鑑 アニヲタ昆虫図鑑 カブトムシ シロカブトムシ ディナステス属 ムシキング 愛のある項目 昆虫 生物 甲虫 シロカブトムシとは「いつの時代もチビっ子達の人気者」でお馴染みのカブトムシの仲間。 大きさは我々日本人にも馴染みの深いカブトムシに近く、外国産のカブトムシにしては少々控えめ。しかし最大の特徴は読んで字の如くその白い体色である。 実はヘラクレスオオカブトやネプチューンオオカブトとは同属である。 ここでは「三大シロカブト」と呼ばれる最もポピュラーな種類をまとめて紹介していく。 /ギャース\ ・グラントシロカブト アメリカ合衆国アリゾナ州を中心に生息するシロカブト。名前の由来は南北戦争の北軍将軍グラント氏から。 野生の個体は湿気などで体が真っ黒になってしまうが、飼育下ではシロカブトの中で最も純粋な白に近い色になる。 光の加減で青みがかったパールのような輝きを放ち、そこに黒い斑点がアクセントになりとても美しい。それはある種の芸術品のようである。 湿気を少なくすると斑点がほとんどない個体も生まれる。 割と温厚な性格と言われるが、いざと言うときにはヘラクレスなどと同様に勇敢に戦う。 たまに間違える人がいるがグランドではなく前述の通りグラントである。 /アンギャー\ ◆ムシキングでの活躍 グラントシロカブト 強さ100 必殺技パー バランスタイプ 肩書きは「北米の将軍」でロケテストから登場。 超必殺わざ 「トルネードスロー」 相手を前から挟み、竜巻の如く回転し相手を投げ飛ばす。 究極必殺わざ「スーパートルネードスロー」 相手を挟み、本当に竜巻となって空高く上空まで舞い上がり相手を投げ飛ばす。 また、ムシキングの開発者「ネブ博士」が愛用するムシで、雑誌付録でネブ博士スペシャルのムシカードがついていた。通常盤と比べて青白い体になっている。ただし通常盤やアダーコレクションとの併用はできない。 ◆アダー完結編 第四段EXノーマル ダゲキ40 ハサミ37 ナゲ80 体力140 防御48 第四段ハイパーレア ダゲキ43 ハサミ40 ナゲ64 体力174 防御60 全体的に数値が上がり旧カード160クラスに近い実力を持つ。 ハイパーレアでは投げ技の数値が下がるも耐久が異常に高くなり安定感が増した。 なお、「ノーマル」は超必殺わざではない「ダッキングスルー」になっていて、ハイパーレアが超必殺わざになっている。アダー完結編では究極必殺わざになっているカードはない。 なおシロカブト達の登場は最も遅く、残念ながら最後にして三大シロカブトは集結しなかった。 新甲虫王者ムシキングでは、2016ファーストに参戦。レア度はR(強さ120(*1))へと昇格。超必殺わざは「ジェネラルストーム」に変更された。 ちなみに同じディナステスであるネプチューンオオカブトも旧作で言う強さ200、もといSSRに昇格している。 2016セカンドにも引き続き参戦。覚醒することでSRとなり、アダー完結編のハイパーレアに近い立場へと復権した。また必殺わざも旧作には無いスーパー技「スーパージェネラルストーム」へと変化する。 ・ヒルスシロカブト こちらは主にメキシコを原産とするシロカブト。グアテマラ辺りが有名。 シロカブトの中で最大の体長を持ち、そのフォルムはどことなくあのヘラクレスオオカブトを彷彿とさせる。 体色の黄色味が強いのもそう見える理由のひとつかも。 /ドヤ-ッ?\ ◆ムシキングでの活躍 ヒルスシロカブト 強さ160 必殺わざパー ディフィンスタイプ 肩書きは「伝説継承」で2005セカンドで初登場。 ⊂二二二( ^ω^)二⊃と言う鳴き声が印象的。オナラではない 攻略本ではメキシコでメキメキ育ったので体力が高いこと。 超必殺わざ「ダ・ブエルタ」 相手が押してきたところを羽ばたきながら体で受け止め、上からはさみつけ、相手の後ろ側に体重をかけながらひきつけバランスを崩させたあと元の状態に戻り、すばやくすばやく前方に一回転して相手を頭から地面に投げつける 技名はメキシコプロレスの軽業の名で、「一回転」という意味がある。 ちなみに強さ160の甲虫としては数少ない、強さが妥当と評価されている甲虫の一つであった(*2)。 ◆アダー完結編 第四段ノーマル(強さ140に降格) ダゲキ40 ハサミ37 ナゲ98 体力188 防御80 自慢の体力は健在で投げ技の数値もムシキングと同じなので割と高いと言える。 なおシロカブト達の登場は最も遅く、残念ながら最後にして三大シロカブトは集結しなかった。 新甲虫王者ムシキングでは別冊コロコロコミック12月号の付録や第二期の公式大会参加賞といった形でゲスト参戦を果たす。レア度はSR。 後に2016セカンドにおいて通常排出が成されるようになった。 ・ティティウスシロカブト グラントと同じくアメリカ原産のシロカブト。 角が短く、全体的にずんぐりして丸い。ディナステス属の中では一番小さい。 体色はクリーム色っぽく光沢が強いのが特徴。 シロカブトの中では最も気性が荒く、好戦的な性格をしている。グラントやヒルスのように温和ではないので注意。 ◆ムシキングでの活躍 ティティウスシロカブト 強さ100 必殺わざパー バランスタイプ(超必殺わざ以外はグラントシロカブトと同じ。) 肩書きは「ユニコーン・ビートル」で2007年フォレストグリーンで初登場。 超必殺わざ「ダッキングスルー」 相手が突いてきたところを左右に軽々とかわし、さらに突いてきたところを前からつかみ回転して投げすてる。 究極必殺わざ「スーパーダッキングスルー」 相手の突き攻撃を左右にかわしているが、そのうち何度か避けきれず当たってしまうようになり、怒ってすばやく左に回ってつかみ、回転しながら遠くへ投げすてる。 アダー完結編ではカード化されていない。 いずれも、日本のカブトムシに習性も生息している環境も似ているので飼育が簡単で、繁殖力も強いためブリーダーの間では長く愛されている品種である。 ヘラクレスオオカブトやコーカサスオオカブトのように、単純に迫力やカッコよさのある種類もいいが、彼らのようにまた違ったベクトルの美しさを持つカブトムシ達もまた魅力的である。 追記・修正は雪のように真っ白な心でお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 知らなかったな。 -- 名無しさん (2013-09-01 23 38 10) 虫王(カブト系編)ではティティウスのかなり攻撃的な個体が二回り程も大きなゾウカブト系を押し出してリングアウトさせる姿を確認出来る。 -- 名無しさん (2013-09-02 00 07 40) 後の垣根帝督である -- 名無しさん (2013-09-02 00 17 24) 二本の立派な角を見てピンと来る通り、ヘラクレスやネプチューンと同じディナステス系である。 -- 名無しさん (2013-09-03 21 20 53) グラントは飼育しやすいが卵の期間が異様に長く孵化するまで数ヶ月近くかかるというややユニークな性質がある。 -- 名無しさん (2017-01-13 12 47 28) マヤシロカブトもムシキングにいるね -- 名無しさん (2017-02-25 04 00 56) グラントなどシロカブト類はヘラクレスオオカブトなどと同じディナステス属。むしろシロカブトのほうが、ネプチューンやサタンよりもヘラクレスに近い種。 -- 安倍晋三@基本情報技術者試験合格者 (2020-05-31 10 48 59) 第一次カブクワブームのころはヘラクレスやネプチューンと一緒に写真で紹介されることが多い割にはこいつだけ生体が出回らない、たまに見つけてもとんでもなく高い、という謎の虫だったな。なお実際には現地ではその辺に普通にいる模様。 -- 名無しさん (2021-11-08 05 16 33) 「名前の由来は南北戦争の北軍将軍グラント氏」というのは実は間違いらしい。こいつの生息地はアメリカ南部(西海岸側)のアリゾナの辺りで東部のオハイオ出身のグラント将軍とは直接関係ない上にそもそも発見された当時はアリゾナはアメリカ領じゃなかったのでわざわざアメリカの大統領(しかもあんまり人気がない)の名前をつけるということは考えにくいとか。 -- 名無しさん (2021-11-08 05 34 39) シロカブトでもグラントやヒルスはおとなしいけど、ティティウスは結構気性が荒くて闘争心が強い。 -- 名無しさん (2022-04-22 23 13 29) ムシキングや虫皇帝かなんかの奴が一人歩きしてるだけでグラントヒルスマヤもそこそこ気は荒いよ -- 名無しさん (2023-09-28 23 00 36) ムシキングカードには「シロカブトはおとなしいのであまり戦わない」と書かれていたりするけど、実際には一応ヘラクレスの仲間だし、日本のカブトムシと比べるとだいぶ闘争心は強い。逆にカードに「気性が荒い」と書かれている日本カブトムシは実はそこまで好戦的なわけではない。 -- 名無しさん (2024-02-17 14 52 05) 名前 コメント
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【種別】 個体名 【初出】 新約六巻 【解説】 垣根帝督が進化した未元物質を用いて作り出した『白いカブトムシ』の内の一機。 垣根の下した、 「作戦行動に支障をきたす要因を残らず撃破しろ」 との口頭オーダーに従って打ち止めや浜面仕上達を追撃したが、 同時に出撃した各機の間でオーダーの解釈に齟齬が発生した際、 「現状、浜面達に脅威を感じられないことから、作戦を続行することでオーダーリスト全体が崩壊する危険がある」 と判断し、同系機種と敵対して浜面達を守る側に付くことになった。 読者からは「白垣根」とも呼ばれる。 どうあっても打ち止めとフレメア=セイヴェルンを救おうと努めるが、 「ターゲットを確実に殺害せよ」という殺害命令から根本的に逃れようとするには、 マスターである「垣根帝督」以外のパーソナリティを入手する以外には術が無く、 所詮スレーブである自身が垣根帝督という柱を失えば、瞬間的に空中分解してしまうという難題を抱えてしまう。 しかし「カブトムシ05には、殺害命令を拒む事はできない。」という絶対的な公式を、 「自身が垣根帝督と成り、すべてのシステム権限を得る」という『垣根帝督というプリセットに無い解法』を編み出し、 その影響でカブトムシの形状は完全に崩壊したが、その直後に「垣根帝督」と名乗る緑色の瞳をした白い少年と成り、 「垣根帝督という全てのシステム権限」を得た。 さながら妹達のように自身の様々な意思がそれぞれの肉体に現れていたようで、 そもそもマスターである「垣根帝督」が本当の垣根帝督であった保証などどこにもないとのこと。 元よりカブトムシ05の反逆は滝壺理后の能力によって意識的にしろ無意識的にしろ、『促された』事が示唆されている。 新約七巻以降、普段はフレメア=セイヴェルンの世話係兼ボディーガードを勤めており、 体を小さくしてキーホルダーとしてフレメアのランドセルにくっついている。 しかし、薬味久子の干渉により自身のコントロールを完全に乗っ取られ、 ヒーローに追いかけられるフレメアを危険な博覧百科へ誘導する役になってしまうが、 分散した自分以外の薬味の干渉を受けていないカブトムシのそれぞれの判断、行動により 避雷針の爆弾をすべて解除。薬味の干渉からも抜け出し、 上条と共に辛くも恋査を撃破した。 新約十六巻の行間では学園都市に迫るエレメントの脅威を発生直後に察知し行動、十三学区の小学生達と教師の博覧百科への避難を護衛。避難完了後はフロイラインと共にエレメントを掃討している。 【口調】 かつての垣根帝督のような粗暴な面はほとんど見られず、敬語で会話する。 「…私の、名前は…「未元物質」を操る学園都市第二位の超能力者、垣根帝督です」
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パーツ名 参照先 効果(オリジナルパーツのみ) 平気 P72 どくづの 《アクション/2/0》肉弾攻撃2+爆発、攻撃判定の出目+1 悪意 1.5 節足 P80 【ほね】 狂鬼 P76 怪力 P76 おおつの 歪曲P42 「転倒」は選択不可 殺戮本能 P88 【よぶんなあたま】 中枢神経 P81 【のうみそ】 常時飢餓 P89 【アドレナリン】 めだま P81 はらわた P81 合計悪意10点 最大行動値12 概要 高い耐久力と攻撃力を併せ持つ変異昆虫。 外見 体長2m近いカブトムシ。 角の数は個体によって適当だが、どの個体も角の先から猛毒を分泌する事が可能。 運用 1ラウンド目に大暴れすることを見越して作成されたホラーです。 【平気】の存在からこのホラーを行動前に撃破するのは非常に難しく、 一度行動を始めれば2カウント毎に3ダメージ+爆発、攻撃判定+2が姉妹に襲い掛かります。 支援とも相性が良く、大成功できれば【おおつの】により姉妹のパーツを大きく削ることができるでしょう。 このホラーの真価はリッパーと同様、煉獄に配置した上で開幕後の姉妹からの攻撃を受ける肉壁として運用する事にあります。 何もせずとも1~2回攻撃可能な盾として、リッパーより安定した働きを見せるでしょう。 なお、アタッカーとして運用する際は、ヒルコなどとタッグで出すと存分に仕事をします。 演出 他の変異昆虫を吹き飛ばしながら悠々と現れるのが似合うホラーです。 蟲の王たる威厳を存分に見せつけてやりましょう。 名前 コメント
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2 名前:藍紫[] 投稿日:2010/12/08(水) 22 57 37 窓から日差しが差込むような、とある夏の日。 俺は、夏休みを満喫していた。 「ふぅ…心地よい朝だ」 俺はいつものように昼過ぎに起きて、自分の部屋にあるパソコンに腰掛ける。 「さてと…」 俺はいつものように、ネットサーフィンに明け暮れていた。 さっき俺は夏休みと言ったけど、逸れは大きな間違いだ。 俺は引きこもり。 高校が思ったより面倒くさいから、1学期の半分は休んだ。 で、今は夏休みと言うわけだ。 山積みの宿題。 夏休み+1学期に休んだ分の課題が、一つの大きな山を演じていた。 それみた俺は、異様な痛みに襲われる。 「あーやべっ…ウ○コしたくなって来た…あーやばいやばいやばい…」 普段とは格段に大きな痛みが俺を襲う。 なんだ?今日は何か、不吉な予感が… 「なんていってる場合じゃねえ…もれるぅ!」 俺は一目散に椅子から飛び降りてドアを乱暴に開け放つ。 階段を自己最速タイムで駆け下りて、トイレへと駆け込む。 この間、僅か30秒。 「ふぅ…間に合ったぜ…」 長い大便をを終え、部屋には戻らずにキッチンへと行く。 「腹減ったわ…なんかねーかな…」 その時、後ろから何者かの視線を感じた。 「ヒデ、今頃起きたの?もう2時だよ?」 それは姉貴だった。 「うるせーな。俺が何時起きようが自由だろ」 「もう…学校に行ってないんだから家事の手伝いぐらいしてよね」 「うるせえ、犯すぞ」 「きゃーこわーい」 「……」 くそう、バカにしやがって。 いつかマジで犯してやると心に誓った俺は、緑茶のペットボトルと机にあったパン片手にキッチンを出る。 「全く…どいつもこいつも俺をなめやがって…」 俺が学校に行かなくなった理由は単純明快。 行くのが面倒だったのだ。 毎朝6時に起床…やってられるか。 別に、友達が居ないとか苛められてるからと言う理由ではない。 本当に、面倒だったのだ。 「はぁー朝から不快感マックスだぜ…」 俺は自分の部屋のドアを開ける。 そこには、俺と同じぐらいの大きさのカブトムシが部屋の真ん中で仁王立ちしていた。 一人前に腕を組んで、物々しいその角は天井にギリギリめり込んでいる。 否、よく見たらギリギリどころか堂々と突き破っている。 「遅いぞ、少年」 「……」 「少年?」 エマージェンシーコールが頭の中に鳴り響く。 緊急事態発生。緊急事態発生。 4 名前:藍紫[] 投稿日:2010/12/08(水) 22 59 05 「遅いぞ、少年」 と、とりあえず落ち着け。 これは、夢? 「夢などではない。現実(リアル)だ」 「え?」 「まあ、驚くのも無理ではないか…」 「え?え?ちょっ…」 「いきなり押しかけてすまない。私はカブトムシのカブトムシだ」 「はぁ…」 「私はただのカブトムシでは無いぞ。カブトムシのカブトムシだ」 「??」 全ッ然意味分からん。 何?新手のドッキリ? 「まあ落ち着いて聞いて欲しいのだが…」 つーかなんで普通に会話できんの? 新種?宇宙人?世紀の大発見? え?○ASA超えた? この俺が? 「私は、ムシキングになるために異次元からやってきたのだ」 「コレは夢だ…コレは夢…飛び切りタチの悪い明晰夢だ…」 「少年!?」 「…よし!オッケー!で、なんだって?」 「……」 「…で、ムシキングに成るためにはるばるK64星雲から来たと…」 「そうだ、いやあ、理解力があって助かる」 「いやいや、微塵も理解できてねーよ」 部屋であぐらをかいて座るカブトムシに、正座で対面している俺。 つーかよくそんなバランスで座れるな… 「ん?何故バランスが取れているのか疑問に思っているようだな?」 「お前ちょいちょい心読むな、まあ、その通りだ」 「これはな、己を鍛えている過ぎない。正直めっちゃつらい」 「なら普通になれよ…」 「いや、でも角がね。この部屋狭いし」 「あ、なるほど…っていやいや!ねーよ!ありえねーよ!」 「ど、どうした!?」 「なんで俺のトコに来たの?何で俺を選んだの?」 「取り乱すな。落ち着け」 「お前に言われたくねーよ!え?何?俺死ぬの?」 刹那、ドアが勢いよくノックされる。 「ヒデ!何叫んでんの?めっちゃ取り乱してる様子だけど何かあったの?」 「あ!姉貴!」 幸い部屋に鍵をかけていたので、入ってはこない。 まずい、コレはまずい。 カブトムシも涙目で両手を合わせて…気持ち悪! なんて思ってる場合じゃねえ! 「あ…いや、俺じゃない!ごめんごめん!俺そっくりの声の奴が演技してる動画見てるだけ!」 「こ、こんな大きな音で?」 「そ、そうだ!間違って音量最大にしちまっただけだ!安心してくれ!」 我ながら酷い言い訳だ。 「そう、心配して損した…」 通じんのかよ。 なんか残念な気分になったぞコンチキショウ。 「……」 壁に耳を当てて、階段を下りきるのを聞いた俺は、ほっとため息をつき、カブトムシに親指を立てて合図。 カブトムシも同じく親指を立てて返してくる。 気づけばカブトムシは"人間"の容姿になっていた。 しかもとびっきりガチムチで全身茶色くて見てて嫌になる。 「え?お前変身できんの?」 「なめるな。私を誰だと思っている」 「そ、そうか…なら、はじめからそれで出てこいよ…」 「いや、この容姿でカブトムシだとは信じてくれだろう?」 「た、確かに…」 思わず理解してしまった。 6 名前:藍紫[] 投稿日:2010/12/08(水) 22 59 31 ID PdumukgE0 [4/10] 「…で、ムシキングだっけ?」 「ああ、そうだ」 「なんで俺に相談すんの?」 「ああ、そうだな。話せば長いが…」 「全然いいから早く話せ」 「うむ…」 というわけで話を聞くところ、 どうやら何年かに一度全宇宙で昆虫王者を決める大会が開かれているらしく、今回は地球で開かれるとか。 で、開催予定の惑星の人間に取り憑くことで初めて参加資格が得られるそうだ。 「なるほどな、でも、どうして俺なんだ?」 「ああ、それなんだが、話すと…」 「だから長くてもいいっつってんだろ。早く話せ」 「そ、そうか…」 というわけで、話を聞くところ、 このカブトムシは何でも、己の器に見合う人間を探していたらしい。 で、それが俺だった。 どうやら取り憑くにはそれなりに心の余裕と言うものが必要らしく、 俺はその余裕、つまり器が大きい人間だと見抜いたとか。 「なるほどな。で、具体的にどういう風に取り憑くんだ?」 「よし、では早速『魂の共鳴』に移ろうか」 「おい、それってソウ○イー○ーじゃねえか」 「何だそれは?まあいい、行くぞ」 「え?マジで?」 何?『魂の共鳴!』とか一緒に叫んじゃうの? が、俺の幻想は見事にぶち壊されることになる。 「行くぞ!少年!」 「…ああ!」 途端、カブトムシが、俺の後ろに回りこむ。 「……え?」 そして、カブトムシは俺に後ろから抱きつくような形で腕を回す。 「ちょ…待っ…」 なんか嫌な予感がしたが、もう遅すぎた。 刹那、抱きついていた腕が俺の乳首を服の上から思いっきりつねる。 「━━━━━━━━━━」 声にならない痛みが俺の体を貫く。 声にならない叫びが俺から発せられる。 「我慢せよ!コモンソウル!」 俺は気がつくと、カブトムシになっていた。 「…何コレ」 《え?コレが魂の共鳴》 「いやいや、カブトムシになっただけやん」 《そうだ、これが魂の共鳴》 「え?お前が武器になったりするんじゃねーの?」 《何を言っている。体は参加者をベースに、心は契約者をベースに合体する。それこそが魂の共鳴だ》 「いや、俺の乳首思いっきりつねっただけやん」 《ああ、あれはただの趣味》 「!?」 《ちなみに取り憑いた時点で参加が決定されるから逃げることはできんぞ》 「…マジ?」 次回、バトル開始! 12 名前:藍紫[] 投稿日:2010/12/09(木) 15 07 26 「…おい、とりあえず解除しろ」 《うむ。承知した》 「━━━━━━━━━━」 体に激痛が走る。 胸の辺りから、2箇所に分けて痛みが… 「おっと、スマン。変身前の状態に戻るの言ってなかったわ」 「いいから…早く…その手をどけろ…」 途切れそうな痛みをなんとかこらえて、精一杯の声を搾り出す。 「…しかし、なかなかうまくシンクロできたな」 「こっちとしては最悪以外のなんでもねーけどな…」 今、俺の乳首は服がこすれるだけで激痛が走るようになってしまった。 そのため、上半身はしばらく裸ですごすことになる。 「ヒデー!おつかい行ってきてー!」 「ちょ、今無理だって!」 乳首のダメージといい昆虫王者の戦いに参加決定しているのでうかつには出歩けない。 「なんでよ!シコる暇があんならお使いの一度や二度は楽勝でしょ?」 なんてデリカシーのない姉なんだろう。 自分のことを棚にあげるわけじゃないけど、 もっと、羞恥心を持ってもらいたいもんだ。 「ふむ、私もお腹がすいたぞ」 「ヒデー!誰かいんのー?」 「ちょ!黙ってろ!」 俺はカブトムシに小声で怒鳴るという 文章で見れば起用極まりない行動を起こす。 「す、すまない…」 「あ、姉貴!違うって!俺の腹がすいてんだ!」 「だからお使いに言って来いって…」 姉の口調が変わる。 男にも勝るとも劣らない野太い、あの声だ。 「あ、姉貴?」 「言ってんだろーがぁぁぁぁ!!」 刹那、一転を中心にひしゃげた状態でドアが吹き飛んで、向かいの壁にその全てがめり込む。 家中に轟音が鳴り響き、窓が衝撃で粉々に砕け散った。 つーか、姉貴が?え?こんなに強かったの? 「全く、ヒデの…」 「ま、待て!」 もう遅い。 姉が俺の部屋を覗き込んだときに、世界が、時が止まる。 「バ、バレた━━━━━」 部屋にはガチムチの男(しかも茶色)。 俺は上半身が裸。 しかも乳首が紫色に変色している。 「え?…ヒデ?え?え?」 姉貴はさっきとは真逆の震えた声で俺を見る。 瞳孔が開いて、まるで唖然と、呆然としたように。 この情況が飲み込めない。飲み込みたくない。 そんな様子だった。 「ちょっ!待て!姉貴!コレは…」 「む、姉方か。なかなかパワフルな脚力をお持ちのようだな」 「頼むから黙ってろ!」 「ヒデ…うわぁぁぁぁぁん!!」 姉がパニックを起こしてしまい、ついに泣き出してしまった。 子供のように俺達を気にせずわんわん泣き始めてしまった。 「泣くな!泣きたいのはこっち!」 「ヂデが…ビベが…」 「お、落ち着け!話せばわかる!」 「少年よ、女は泣かせたら泣かせた者の負けだぞ」 「お前にだけは言われたくねーよ!」 13 名前:藍紫[] 投稿日:2010/12/09(木) 15 07 44 「…で、ヒデを依代(よりしろ)に選んだと」 崩壊寸前…ってか崩壊した俺の部屋で、 俺達は小さな円を描いて座っている。 「うむ。さすがは姉方。理解力があって助かる」 「まあ、こんな情況じゃあ冷静にならないと…ね?」 姉貴はさっきの羞恥を思い出したのか、顔を赤らめる。 因みに俺は依然と上半身は裸。 乳首は大分とマシになってきた。 カブトムシもガチムチの状態である。 他人から見れば姉貴がいかがわしいことに巻きこまれているようにしか見えない。 「でも、宇宙人が本当に居たなんて、これなんてSF?」 「俺に振るんじゃねーよ。こっちが聞きたいわ」 「…む!姉方!」 「きゃあ!」 その時、カブトムシが姉貴を瞬時に押し倒す。 「おい!クソ虫が!何してやが…」 刹那、姉が元いた場所に、馬鹿でかい針が突き刺さる。 【チッ、はずしたか…】 物凄い轟音がどこかから鳴り響く。 ブゥゥンなどではない。ゴゴゴ…という物々しい音である。 なんだ…何が!? 「くっ!もうエントリー者が攻めてきよったか!」 「え?」 すると、崩壊した窓の方に これまた馬鹿でかいハチが姿を現した。 【ほぅ…初戦はカブトムシか。なかなかいい相手だな】 馬鹿でかいハチが呟く。 「ちょっと待てよ!お前俺の部屋に何でかい穴あけてんだ!」 【ククク…ごめんなさい】 素直に謝られてしまった。 許すしかないではないか。 「少年よ!バトルは始まっておるのだぞ!」 「そ、そうみたいだな!」 気づけば後ろにカブトムシが回り込んでいる。 「うぉ!びっくりさせんなよ!」 「む、すまない」 「あと、乳首つねったら燃やすぞ」 「分かっておる。行くぞ少年!」 「おう!」 14 名前:藍紫[] 投稿日:2010/12/09(木) 15 07 57 俺は瞬時にカブトムシに変身する。 「いくぜハチ!」 【ククク…やれるものならな!】 といいハチは物凄いスピードで飛んでゆく。 「あ!待て!」 《少年よ!飛ぶ準備はいいか!》 「ま、待て!姉貴は…」 姉貴の方に目をやると、姉貴は気絶していた。 「う、う~ん…」 「姉貴!大丈夫か!?」 「ヒ、ヒデ…ぎゃあああああ次はカブトムシぃぃ!!!」 「あ、しまった…」 また姉貴は気絶してしまった。 「くそっ…ハチのやろうゆるさねえ!」 《いや、お前やん》 「ああ?聞こえねーよ!行くぜ!」 《む!承知した!》 俺もといカブトムシは窓から飛び、 空中で羽を広げて、ハチを追いかける。 「逃さねえぞ!ハチ!」 【くくく…追いつけるものならな!】 いや、追いついてるから話しかけたんだけどな。 「よし、カブトムシ!このまま突進だ!」 《把握した!》 カブトムシの最大の特徴。 それは、この長い角。 「行くぜ…ダンガン!」 【何!それはム○キングの…】 「俺を誰だと思ってる!天下の昆虫、カブトムシ様だぜ!」 ハチの言葉を途中で遮り、俺は力任せに思いっきりハチに突進を咬ます。 【ぐぁぁぁぁぁぁ!!!】 ハチは近くの山に隕石よろしく思い切り激突した。 隕石が落ちたかのような轟音が町中に響きわたる。 「やべっ…やりすぎたかも…」 町の人々にバレたという心配が頭をよぎる。 《安心せい!このことなど誰も気にせぬわ!》 「そ、そういう問題!?ってかハチは?」 俺はハチが激突した山を見る。 大きなクレーターの中心には…人間!? しかもよく見るとあれは…鳩山!! 鳩山由紀夫。 確か高校のクラスメイトだったはず! 「な、何でだよ!俺はハチを…」 【私のことかな?】 「なっ!何だお前は!」 気づけば、全身が黄色に染まった気持ちの悪い人間らしきものが俺の視界に現れる。 【クク…寸前で解除したに決まっているだろ?】 《何!解除ということは敗北のはず!》 え?解除したら負けなの? なら俺達一回解除したから負けなんじゃね? 【そうだ、確かに俺の負けだ…おめでとう】 あれ?無視?虫だけに? というかやけに素直だなコイツ。 根はいい奴なのかもしれない 《ならば、もう参加資格は失われたはず…》 【ああ、そうだな】 《ならば…何が言いたい!》 【フッ…この世界を少し、観光するのさ】 「まさかの!?」 なんだよ、今後の試合に出られないように反抗してくるのかと思っちまったよ。 《少年よ。それはマンガの読みすぎだぞ》 「知ってんの!?」 【ククク…それじゃあ行ってくるぜ】 「あれ?終わり?鳩山は?」 15 名前:藍紫[] 投稿日:2010/12/09(木) 15 08 36 と、いうわけで 初戦はなんとか俺達の勝利のようだ。 んで後に聞いたところの話では、 鳩山は全治半年の大ケガで記憶喪失になっちまったみたいで 学校を留年することになっちまった。 悪い、鳩山。 で、話を戻すけど、俺達は一勝したから本選に出場することになったみたい。 本選は明日から行われるみたいで、隣町の公民館の丘に有る元大木の切り株の上でするみたいだ。 予選は解除したら負けだったけど、それは他のエントリー者によるものではないから俺達はセーフだとか。 てなわけで、波乱の一日が、終わろうとしていた。 明日も、波乱が待ち構えて居そうだなあ。 その日の夜。とある切り株の上。 †カブトムシ…こんどこそ、討つ!† 24 名前:藍紫[] 投稿日:2011/02/22(火) 20 30 56 ~決戦当日~ 「で、ここがバトル会場…」 どれくらいのでかさなんだろうと思ったらそんなにでかくなかった。 バトルするスペースは一丁前にあるし、大丈夫だろう。 「でも、こっからが本番なんだろ?」 「うむ。そうだぞ少年。気を抜けは喰われてしまいかねんからな」 「まったく、食うか喰われるかなのは試合してみないとわかんねーだろ?」 「そうじゃな。む、初戦の相手がやってきたみたいだ」 「どれどれ…」 俺は、その挑戦者の来た方向へと目を向ける。 そして、俺は愕然とした。 〓フシュゥゥゥゥ…〓 それは、サソリ。 もう、でかいなんてレベルじゃない。 そうだな、キャンピングカーぐらい。 ノシノシ…と音を立てて切り株の上に上がってくる。 揺れ動く尻尾。鈍い緋色に光る幾つもの目は、俺を地面に縫い付ける。 おいおい、昆虫王者じゃねえのかよ。 マジで喰われんじゃねーの? 「お、おい!反則だろ!こんなの!」 〓グモモモ…サソリはクモ科かクモ目だったはず〓 「マジで?そ、そんな曖昧でいいの!?」 〓グモモモ…早くしよう観光したい〓 「なら試合に出ずに観光優先のほうがよかったんじゃね?」 〓うん。これは計算ミス〓 なら、棄権しろよとは、いえなかった。 怖かったのだ。 「少年よ!覚悟は良いか!」 「あ、ああ!いいぜ!」 〓グモモモ…セミのごとく粉砕してくれるわ〓 「ふ、粉砕!?」 25 名前:藍紫[] 投稿日:2011/02/22(火) 20 31 14 傍から見ればでかいカブトムシとでかいサソリが切り株の上ですもうと言う実にシュールなのに壮大な光景である。 「くっ…キャンピングカーに乗用車がかなうとこなんてあんのかよ!」 〓グモモ…先手必勝!!〓 刹那、キャンピングカーがF1のレースカーのごとき速度で突っ込んでくる。 「ちょ!えっ!?ええええええ!!!」 《むぅぅうううおおおおああああああ!!!》 ほぼ同時に、カブトムシが根性、角で受け止める。 ドォォン!!というすさまじい衝突音、否、爆音が鳴り崩れる。 「カ、カブトムシ、すげえ!あんなの受け止め…」 《少年!おぬしも力を抜くな!轢き裂かれるぞ!!》 俺の言葉を遮り、カブトムシが俺に緊急警報を促す。 「わ、わりい!お、おらあああああ!!!」 実際、角がよく折れなかったものだ。 俺も渾身の力をこめる。 〓グモモ…さすがはカブトムシ…セミのように脆(もろ)くは無いか〓 「ぐっ…くぅぅ…」 俺達二人かなりの力をこめているののに、少しづつ押されているのがわかる。 《うぉぉ!!ヒデ!いけるか!?》 「ああ!つーかお前口調変わりすぎだろ!」 《コレが俺だ!文句なんていわせねーよ!》 「へっ!急にかっこよくなりやがって…ん?」 そこで俺が、頭上に影ができたのを初めてしる。 「……!!」 完全に忘れてた。 それは、サソリにあり、最大の武器である"尻尾" 「ちょ…」 刹那、カブトムシ(俺)の耳に、ズシリではない。 メキリという音が流れ込み、直後に背中を初め激痛が全身を襲いだす。 「ぐぁあああああああ!!!!」 心がベースの俺ですらこの痛みだ。 カブトムシが本当に凄いと実感する。 《あ、俺は大丈夫だぜ?》 「え…?」 《いや、痛みは心がつかさどるからな。お前しだいだ。ガンバ!》 「えっ…ちょ…」 あまりの衝撃に痛みが完全に吹き飛ぶ。 おい…ちょっと待てよ… 〓グモモ…これだけではないぞ!?〓 《……毒か!!!!まずい!!》 俺はなんにも悪くない… 《ヒデ!おい!大丈夫か!答えろ!答えてみろヒデー!!》 〓グモモ…諦めろ…このままだと契約者が死ぬぞ〓 なのに…なのに…!!! 《ヒ、ヒデ!おい!!!!》 なんでこんなに損な役回りばかり任されんだよ!!! 「ふ…」 《おお!ヒデ!大丈夫か!おい!》 「ふざけんじゃ…」 《ヒ、ヒデ!?》 「ふざけんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」 《……こ、これは!!!!!!!!》 〓グモモ!!!!〓 そこに、かつての俺達の姿は無かった。 銅に輝かせた甲冑や鎧を全身に着て、 その両手には、これまた銅に輝く大剣を持った━━━━━━ 『待たせたな!反撃開始だぜ!』 "カブトムシとしての意識と体がこめられた装備と武器と、俺としての心と体" を持った"一人の甲虫"が存在していた。 26 名前:藍紫[] 投稿日:2011/02/24(木) 19 48 34 〓グモモ!!何だこれ!!〓 『これか?単に"俺の心"と"カブトムシの心"が、入り混じっただけだ』 〓グモモ!そんな変身きいたことねーよ!〓 『ああ…俺達も正直わかんねえ…お前の毒でも効いたんじゃね?』 毒は、常に体に害を及ぼすとは限らない。 それは時に、恩恵を授けるときもある。 まあ正直に話せば 俺の心が一瞬カブトムシの体をも支配した。 つまり、自分自身はもちろん、"カブトムシの要素も俺の自由"になった。 だから、変身時の形を変えたのだ。 といっても、今はカブトムシの意識が戻っているのでこの状態から変われないが。 〓グモモモ!!バカな!ならば、背中に打ち付けた尻尾で多少の傷が…あれ?〓 そこで、サソリはようやく気づく。 〓尻尾の針の部分が…無い?〓 『ああ、吸収しちまったみてーだ。興奮して気づきはしなかった見てーだがな』 実際には、カブトムシとしての形態を変えるときに巻き込まれただけだ。 背中の傷を埋め合わせるには十全だった。 〓くっ…ならば何故銅色になったんだ!?〓 『さあ、それはしらん』 〓!?〓 まあ、作者の都合とゆーことで。 『さて…油断しすぎだぜ?』 〓しまっ…!!〓 大剣の刃ではなく、なんというのか知らんがなんか面の部分で思い切り殴り飛ばす。 相手は切り株から落ち、周囲に砂煙が巻き起こる。 『切り株から落ちたらから負け…俺の勝利だ』 そして、砂煙が晴れる。 そして、そこにいたのは━━━━ 『…管!?』 そう、管直人。 確か、クラスの理科係に任命されし者だったはず。 『なんてお前が…』 白目をむいて、よだれをたらして気絶している。 〓グモモ…油断した〓 ふと、下から女の声がする。 その声がするほうに目を向けると、コレは可愛らしい少女が一人。 見た目から推測するに、十三歳ぐらいだろうか。 『えっ!まさか…』 〓そう、私こそサソリよグモモ…〓 『かわいいなあ、オイ』 〓そうなの?よくわかんないグモモ〓 『そうか、お前は宇宙人…』 ふと、ある考えがよぎる。 『そうだ、お前、あの契約者になんかされたりしてないか?』 〓特には…あ、なんかやたらと体をなめ回し…〓 『おk、それ以上は何も喋るな』 言葉を遮り、全てを悟る俺。 管に若干の嫉妬…ではない、軽蔑を覚えた瞬間だった。 〓さて、負けちゃったし、観光でもしようかな…グモモ〓 と言って、歩き始めるサソリを俺は引き止める。 『待て、お前が一人で観光すると間違いなく犠牲者が出まくる』 精神的にも、肉体的にも。 そして、おまえ自身も。 〓えぇ!?なら、観光できないの?〓 涙目になるサソリ。うおお、かわええ! いや、駄目だ。俺の人生をこんな宇宙人に捧げれるわけが無い… 『はぁ…とりあえず、ウチに来い。いい案内人紹介してやるからよ』 〓本当!?なら、早く行こう!〓 『よし、今すぐ行きたい…トコだけどお前と一緒に居ると俺は…』 〓何?どうなるの?〓 『いや…なんでもねーよ。さ、行こうぜ』 〓うん!そうだ、変身は解除しないの?〓 『ああ、それは絶対に駄目だ』 ガチムチと幼女が一緒に歩いてたら、間違いなく捕まるからな。 ここは恥ずかしいけど、この鎧を着たまま帰るのが適切だろう。 『…管、ごめんな』 軽蔑を覚えた相手でも、ここまでするとさすがに申し訳なく感じる。 と、いうわけで 本選初戦はなんとか俺達の勝利のようだ。 んで後に聞いたところの話では、 管はただの脳震盪で無事退院したけど、ロリコンが表になっちまったみたいで 結果いかがわしいものを所持していたらしく捕まってしまった。 悪い、管。 で、話を戻すけど、俺達は勝利したから第二回戦に出場することになった。 明日はどんな敵が待ち受けてるのだろう。 と、不安もあったけど、そこには確かな興奮もあった。 その日の深夜、切り株の上━━━━ †フン…騎士形態(ナイトランス)になりやがったか…それでこそカブトムシ…† 同じく深夜…閑散とした市民プールの子供用プールの中央━━━━ ★ククク…カブトムシ!今度こそ満たしてくれよなぁ!この殺意(しょうどう)をよぉ!★ 「誰だっ!そこにいるのは!」 ★パトロール!!やべっ、逃げるが勝ち!★ 「ま、待て!…くそっ…なんて速さだ…高校時代コンドルと呼ばれたこの俺が追いつけないとは…」 28 名前:藍紫[] 投稿日:2011/02/24(木) 22 53 01 さて、少し時は戻るけど、俺の家。 『さて…変身解除っと…』 「ふぅ…死ぬかと思ったぜ」 カブトムシは、ガチムチではなくなってて、俺に似た青年体になっていた。 茶髪に若干焼けた肌が最高にマッチしており、俺よりかっこいいのは明白だった。 「しっかし、騎士形態へのレベルアップがこんなにも早いとは」 「うん、私も見たことない変身でとってもかっこよかったよ!」 「やめろって…照れるだろ…」 「何調子乗ってんだクソガキが」 「サソリちゃん!?」 物凄く怖い顔のつもりなのだろうが、結局は幼女だ、むしろ萌える。 「しっかし、ここまで変わると別人だな」 「ああ、騎士形態は容姿から精神まで契約者に合わせるからな」 え?ということは… 「俺の前にその、騎士形態になったやつって…」 「ああ、かなりのガチムチだったな。おかげで前大会では圧勝できたぜ!」 「……」 「ハハッ、そう心配すんじゃねーよ。たった二回のバトル、こんなに速く騎士形態になったのはお前が初めてだぜ」 「そ、そうか…」 心配の対象が別にあることには気づいてもらえなかった。 ま、そんなのはどうでもいいとして、ここからだ。 どのように姉貴を説得しようか… 「イケメンはまだしも幼女はどうしたもんか…」 「ん?わたしがどうかしたの?」 「ま、いっか。ガチムチカブトもなんだかんだで受け入れてくれたんだ…」 心を落ち着かせて、家のインターホンを押す。 「はいはーい…」 姉が返事も無く出てきた。 おい、さすがに誰かぐらいは確認しろと思ったときに、ドアが開く。 「あ、ヒデ…とお友達?…と……」 「あ、あの…」 明らか右となりの幼女に疑心を持った様子の姉貴。 「…えーと、誘拐(した)?」 「いやっ!それだけは絶対に無いから!とりあえず話を聞いてくれ!」 32 名前:藍紫[] 投稿日:2011/02/24(木) 23 45 38 とりあえず俺はことの事情を説明する。 まずは、カブトムシのこと。 「ええ!?キミがあのカブトムシ!?確かに色は茶色っぽいけど…」 「ああ、そうだぜ」 「へー。カブトムシって環境に合わせて体ごと帰るんだね。初めて知ったよ」 「いや姉貴、あくまでもコイツは宇宙人だからな」 「あ、そっか。宇宙人だったのか。なら、不思議でもないか…」 「今後ともよろしくな。短い間だとは思うけど」 「うん。よろしくね」 と言う感じで、カブトムシの説明は終わった。 さて、次が問題だ。 「で、この子は?めちゃかわいいけど、どこで拾ったの?」 「いや、こいつも宇宙人だよ」 「はじめまして」 「あ、初めまして…でも、どうみても人間だよ。かわいいー」 そういってサソリの頭をなでる姉貴。 サソリは、いかにも満足げな表情になる。 「でさ、姉貴。一つ頼みが…」 「何?」 サソリは姉貴のひざの上に座っている。 どうやら互いに気に入ったようだ。 「コイツ、観光したいらしいんだ。だから、案内人してくんねーか?」 「え?私なんかでいいの?」 「ああ、いいよなサソリ?」 「うん。でも、どうしてこんなにも優しくしてくれるの?」 「え?そ、それは…」 見た目(ロリータ)だからとは言えないし… 「それはな、お前が安全に観光するためだよ」 カブトムシがフォローをしてくれた。 うおお、なんかいきなりかっこいいぞコイツ。 「安全?」 「そ、その姿はこの惑星ではちょっと危険だからさ。それを見てもらうってわけ」 おおお、こいつ急に口が達者になったぞオイ。 「ちょっと、それじゃあ私が強いみたいな言い方じゃない」 「え?違う…」 「アハハハ、俺とかコイツだと姉貴のようにとんでもない誤解を招きそうだからさ、それなら姉貴のほうがまだ安全だろうってことさ」 「あーなるほどね。それなら納得」 「だろ?なあ、カブトムシ?」 「そ、そうだな…」 すると、何かを思い出したかのようにサソリが姉貴に話しかける。 「…そういえば、わたしはお姉ちゃんのことなんて呼べばいいの?」 「あ、そうだね。名前、言い忘れてた。私は佐奈(サナ)。よろしくね」 コクリ、とうなずくサソリ。 「そうだ、なら私はサソリちゃんのこと、『りっちゃん』って呼んでいいかな?」 「うん。いいよー」 「まあ、もう遅いし、明日からな」 「うん。わかった」 「じゃあ、りっちゃんお風呂行こっか!」 「お風呂!?なにそれ!」 「それはお楽しみー」 行ってしまった。 つーか、本当に…なんというか観光したかったんだな… 「さて、どうするよ」 カブトムシが話しかけてくる。 今部屋には、俺とカブトムシの2人。 「ああ?そうだな…寝るか」 「えっ」 つーわけで予想的中波乱で長い一日が終わった。 そして、俺の心が少しだが、変わっているのにも気づいた。 同世代ぐらいの奴と話すのは、楽しいって事を。 35 名前:名無しんご[] 投稿日:2011/02/27(日) 01 14 48 そして次の日。切り株の上。 姉とサソリは観光中。 『この試合に勝てば準決勝か…』 そして、切り株の上に一つの影が現れる。 ★よぉ…ヒデじゃないか★ そこには"一人の甲虫"がいた。 つまり、騎士形態ということ。 相手の契約者がわかると言うこと。 そして、その顔は見慣れたものだった。 そしてそれは、何よりも見たくない顔だった。 『お…お前は…』 ★(ニヤリ)★ それは、俺の大切な人を壊した人物。 『お前は…小沢…』 36 名前:名無しんご[] 投稿日:2011/02/27(日) 01 24 38 以下、回想。 小沢。本名、小沢一郎。 こいつは俺の中学時代に数多の人間を貶めた、いわば悪。 俺の幼馴染だった五月晴葉衣(さつきばれ はごろも)も、犠牲者の一人。 いや、一番の犠牲者と言っていいかもしれない。 葉衣は、こいつに殺されたも同然だ。 ちなみに殺されたというのは社会的に殺された。 コイツの罪を、罰を、すべてなすりつけられた。 そして、おそらく小沢の命であろう、葉衣は学校全てから忌み嫌われるようになった。 葉衣が受けるハメになった"いじめ"は性的暴行とかじゃない"差別"で━━━━無視。 葉衣はあの日から、"居ないもの"としての扱いを受けた。 僅かにいた俺と葉衣の親友や友達は、それから俺と葉衣に関わることは無かった。 自分が同じ目に合わされたくないから。それはそれでいい。あいつらは何も悪くない。 そして、学校側はそれを黙視し、挙句の果てに小沢を崇拝しだした。 毎日が欠番。 テストなど渡されること自体無く、テストは毎回全教科0点。 提出物なんて受け取らない。そもそも話を聞かないのだから。 プリントも渡されない。行事予定なども俺から全て聞き、行動していた。 それでも、彼女は俺だけでなくみんなを"信用"して、そして逆らうことなど無かった。 時に乱暴されかけたら、俺が護り通した。 次第に俺も葉衣ほどではないが、同じ扱いを受けていた。 俺だけは"信頼"もされていた。彼女いつしか言ってくれたから。 そして、学校が葉衣に言った最後の一言は一生忘れない。 【お前は卒業な。ほれ、証書。本当は証書もあげる価値無いんだけど、小沢が渡せと言うからさ】 護るために常に隣に居たため聞こえていた俺など眼中にも無く、彼女にのみ、そう告げた。 俺は唖然とした。彼女は呆然とした。 いままでは俺の護りでなんとかやりすごせてた毎日が、終わった。 卒業。それは課程を終えたものに与えられる称号。 つまり、葉衣が今後学校に来ても意味が無くなってしまうということ。 帰り道、彼女とした最後の会話も覚えている。 ≪えへへ…卒業だって…どうしよう…≫ ≪んなもの、気にするな!俺が護ってやるから、学校に行こうぜ!≫ ≪ヒデくん…でも…≫ ≪でもなんだよ!≫ ≪…もう、私疲れちゃった…≫ 直後、地に腰を落とし、止まってしまう。 すでに限界を超えつつも耐えた彼女が、ついにパンクしてしまった。 歯止めが、無くなった。 その瞳からは、涙が流れ、やがて 大きな運河へとつながっていく。 日ごろためていたものが、一気に運ばれていく。止まることを知らずに。 ≪私、悪くないよね!?私は、いい子だったよね!?≫ ≪ああ!当たり前だ!だから落ち着け!≫ そして、あいつが現れる。 ≪おや…泣いてるのは五月晴さんじゃないですか≫ ≪小沢…テメェ…≫ ≪やめとけ。今の俺を殴ってみろ。それこそ学校を敵に回すようなもんだぜ?≫ ≪構わねぇ!俺は…≫ ≪もし学校の誰かが暴力団とつるんでたら?≫ ≪!……くっ…≫ ≪なあに、五月晴さんには何も"しない"よ。少しやりすぎたからね≫ そして、俺の横をとおり後ろで泣き喚く葉衣に一言。 ≪××××≫ ≪━━━━━━━━!≫ ≪俺は"言わない"とはいってないぜ?(ニヤリ≫ ≪葉衣!!≫ 彼女が、壊された瞬間だった。 彼女の純粋さを逆手に取ったその一言で。 彼女は気絶してしまい、それから病院に運ばれ 目覚めたときには全てを失っていた。 記憶が飛んでいた。何もかも。 俺の名前すらも、覚えていなかった。 俺はこのときを今でも悔やんでいる。 彼女を…最後の最後で護りきれなかったことに。 以上、回想終了。 37 名前:藍紫[] 投稿日:2011/03/11(金) 23 16 38 『お前だけは…ゆるさねえ!』 ★待てよ★ 俺の攻撃がひらりとかわされて、俺はこけてしまう。 ★そんな虚構で切れられても、困るんだよ★ 『嘘もいいかげんにしやがれ!虚構だと!?ふざけるのも…』 刹那、俺の脳内に一つの記憶がよみがえる。 ≪おら小沢、悔しかったらかかってこいよ≫ それは、俺が小沢を貶めている記憶だった。 俺はその場に立ち尽くす。 左腕で頭を抑えたあと動けなくなってしまった。 『嘘…だろ…!?』 ★嘘じゃないよ。事実さ★ いや、葉衣は確かにコイツに… 『……あれ?』 あれ?葉衣って…誰だ!? ★な?言っただろ?葉衣?誰だよそれ★ 気づけば口に出していたらしく、小沢が口を挟んできた。 『待ってくれ!お前が確かに…』 そうだ、俺の幼馴染は…あれ?俺の幼馴染… ★確かに…なんだよ★ 俺に…幼馴染なんて…いない!? 俺は…小沢を貶めた!? 『はぁ?ちょ、まて意味わかんねーよ!なんで…俺がお前を貶めてるんだ!?』 ★ああ、確かに俺はお前に貶められて散々な学園生活だった★ 嘘だろ?俺はさっきまでコイツに憤慨していたはずだ、 だけど今は… ★あの時俺は悔しかった…なんにもできない自分がな…だけど、今は違う★ 『……!』 気づけば小沢は俺の前に立っていた。 ★スキありすぎだぜ?…おらぁ!★ 『!!』 渾身の右ストレートが俺の顔面中心、鼻に炸裂する。 『がっ…くっ…がはぁ…』 鼻血が止め処なく流れる。 鼻で息ができない。 『はぁ…はぁ…』 鼻を中心に3センチほど感覚が無い。 ★苦しいか?苦しいよなぁ!俺も苦しかったんだぜ!?★ 『はぁ…待って…はぁ…くれ…』 ★いいや待たない!積年の恨み、晴らさせてもらからな!★ 膝を突き鼻を押さえうずくまる俺の空いた脇腹に異常に重い衝撃が走る。 『ぐぶっ…ぐあああああ!!』 はきそうになるのをこらえるうちに、また一撃、一撃と確実に叩き込んでくる。 ★おらおら!どうした?アン時のように俺を貶めてみろよ!★ 違う。俺はそんなことしてない。 だけど、記憶として残っている。 本当に、意味が、訳がわからない。 『はぁ…はぁ………』 ★おらっ!おらっ!ははは、楽しーなぁコレ!下克上って!★ 息が…できない… 鼻が…熱い… 『……』 薄れ行く意識の中、俺が最後に見た景色は、 これ以上なく歪みほほえむ小沢の姿だった。 38 名前:藍紫[] 投稿日:2011/03/12(土) 00 08 14 〔…ここは…?〕 あれ?俺は小沢に… ってかカブトムシは?あれ!? ココどこだ? 〔久しぶりだね…ヒデ〕 俺の名を呼ぶ声がした。 顔を向けると、同級生くらいの可愛い女の子が一人。 〔!…キ、キミは…〕 あまりの可愛さに言葉を失ってしまった。 〔え?アタシだよ?覚えてないの?〕 〔いや、あの…〕 覚えてないどころか初めてあった気がした。 見渡す景色も無。本当にどこなんだろう。 〔ガーン!まあ、仕方ないっか…〕 〔わ、悪い!えーっと…〕 頭が働かないのに今更気づく。 〔そうだ、佐奈お姉ちゃんは元気?〕 〔え?姉貴?ああ、元気だけど…〕 〔そう、よかった〕 〔あの…〕 必死に思い出そうとするけど、頭が働かない。 体中の感覚も無い。俺はいまどうなってるんだ? 〔ううん。ヒデは悪くないよ。むしろアタシを護ってくれたじゃん〕 〔え!?俺がキミを…護った?〕 この子を…護った!? 〔嘘!本当に覚えてないの?〕 〔あ…ああ、わるい〕 〔そんな…ヒデ!じゃあこれは?〕 そういって彼女は一つのお守りを見せてくる。 〔…なんだ?それは…〕 〔……〕 彼女は呆然とした様子だった。 〔ちょ、ごめん!俺が悪かった!だから、そんな表情しないでくれ!〕 〔!!〕 まさしく驚いた顔をする彼女。 まるで、心に思っていたことをズバリ当てられたような。 〔…やっぱりヒデは私のヒーローだね〕 〔……??〕 〔…そうか、ならもしかしたら…〕 何かを考える仕草に入る女の子。 〔?〕 〔××××〕 彼女が何かを口ずさみ、俺に話しかける。 〔…ヒデ…"私の名前、言ってみて?"〕 刹那、俺の頭に何かが入ってくる感じがした。 入ってきた情報…それは… 〔五月晴━━━━━━葉衣!!!〕 俺の…大切な大切な人物。 〔正解。だけど時間だね…また会いにきてね〕 〔嘘だろ!?葉衣かよ!ずっと会いたかったんだぞ!!〕 〔アタシもだよ。でも残念。次会うときはもっとしゃべろうね〕 視界が晴れていく。晴れるものが無いのに晴れていく。 全てを思い出した俺は"人生最大の後悔"を取り戻そうとする。 〔待ってくれ葉衣!今お前はどこに居るんだ…""生きているのか""!!〕 〔え━━━━━━━━こと?〕 ━━━━━━━━ ━━━━━━ ━━━ 『(…デ!ヒデ!おい起きろ!負けちまうぞ!!)』 『ん…?ってぐああああああ!!』 鼻に激痛が。そうだ、俺は鼻に渾身の一撃を食らっていたな。 鼻の骨折れてんじゃね?…ってそんなことはどうでもいい! ★起きたかー遅かったな、もう終わりだ★ 気づけば小沢が俺を担いで切り株のふちで立っていた。 ★じゃあね★ 俺が場外へ投げられる。 『…おおおおおあああああああああ!!!』 ★……!!★ 『…ッセーフ!』 俺は剣を地面に突き刺し渾身の力でふみとどまる。 そして体をしならせて飛びなんとか切り株に復帰する。 ★バカな!どこにそんな剣が…★ 『俺の相棒はカブトムシだぜ?どこにいても必ず飛んできてくれる!』 39 名前:藍紫[] 投稿日:2011/03/12(土) 00 35 07 ★…まあどうでもいい。それよりもお前はここに居ていいのか?★ 刹那、俺の頭の中にとある記憶が… それは… ≪…俺は悪くない…う、うわあああ!!!≫ 『……俺が…人殺し!?』 ★ああそうだ。お前は俺を貶めさらにまた別の人を殺しさえしたんだ★ 『嘘…』 ★嘘じゃねえよ。お前そういって結局は事実だったじゃねーか★ 『そうだったな……』 ★ああ、お前は人を殺した罪さえ持った極悪人だ★ 『そうか…おれは極悪人か…』 ★ああ、まあまだばれてないみたいだがな★ 『…そうか、"黙っててやるから降参しろ"ってことだな?』 ★!…あ、ああ。そうだ。この事実を言えばお前はどうなるだろうなあ…★ 『どうにもなんねーよ。屑野郎』 ★!……ぶごぉ!★ 俺は会心の一撃を小沢に食らわせた。 ★お、お前殴ったな!?ゆるさねえ!通報して…★ 『俺もゆるさねえ。人の記憶を弄びやがって!!』 ★!!!!★ 鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして実に気持ちがあ悪い。 『"相手の脳に捏造した記憶を作る"…お前、こんな能力持ってたなんてなぁ』 ★なっ!何故だ!何故気づいた!!★ 気づいてねーよ。バカ。 『命よりも大事な人に、教えてもらったんだ』 ★はぁ?さっきまで気づいてなかったじゃねーか!★ 『だからさっき教えてもらったんだよ』 ★ああ?いつそんな…まさくぁ!!★ 完全に動揺している小沢の頭にひざを打ち込む。 小沢は動かなくなってしまった。 『お前が何考えてるか知りたくもねーよ』 そして、俺は小沢を場外へ剣で弾き飛ばし勝利した。 『あんがとな…葉衣』 恩人に感謝して、その場を去る。 43 名前:Ain[] 投稿日:2011/03/30(水) 01 54 34 「しっかし…どうした?あんなお前は始めてみたけどよ」 「ああ、悪りぃ。ちょっと嫌な過去を思い出しただけさ」 「そっか。ま、おれにとっちゃあどーでもいいけどな」 そして、俺たちは家の前に一つの人影を見つける。 「ん?誰だあれ…」 「……!!」 それは、見間違えること無い人物。 「……葉衣!」 俺は彼女の元へ駆け寄る。 「…久しぶりだね。ヒデ」 「!!」 彼女は記憶喪失のはず。 だけどいま、オレの名を呼ばなかったか? 「うん。呼んだよ。ヒデ、ヒデ、ヒデェ…」 葉衣が抱きついてきた。 後ろからヒューと粋な音色が聞こえてきた。 「ごめんね…ごめんね…」 「い、いやぜんぜん構わんがそれよりどうした?」 「あのね、急に全て思い出したの。なぜだろう…」 「…まさか、小沢をぶちのめしたからか?」 俺が小沢の名を声にした刹那、抱きついていた彼女がわずかに震え出した。 「怖い…怖いよ…」 事の重大さに気づいた俺。 俺は震えながらもしっかりと抱きついてくる 葉衣の肩をつかむ。 そして俺の正面に立たせて、そのままキスをした。 そっと唇を離し、今にもなきそうな葉衣を強く抱きしめて、一言。 「安心しろ。もうお前につらい思いはさせない」 「ビ、ビデェ…」 泣き出す葉衣。 俺はぬくもりを途切れさせずに抱きしめ続ける。 ちなみに小沢はコレまでの全ての悪事が発覚し、 さまざまな人物から命を狙われてしまい蒸発してしまった。 当然だ。死ねとは言わないけど、もうなんにもすんな。
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カブトムシジャム セッション:『ジャム』に登場したジャムが名産のジャムの村で作られていた商品。 錬金術を使って普通では作れないジャムを作っていた。 錬金術師とその弟子の殆どがとある事故で亡くなってしまったため、今では殆ど作られていない。 確認が取れている錬金術で作られた珍しいジャム カブトムシジャム エビジャム アスパラジャム 大根ジャム バッツ(人名)ジャム マックロガーデン(人名)ジャム
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爆弾カブトムシ 梅村 小雪★11期 藤原 渚☆11期 石川 史織★11期 笠原 茉友花☆10期 山岸 智也★10期 浅利 みなと☆10期 さわやかに、邦楽歌っていきます!! 若さ爆発!!! *空も飛べるはず/スピッツ *閃光少女/東京事変 *realize/melody. *こんなに近くで/Crystal Kay *横顔/aiko
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現在の状況は、『迷子』の一言に尽きる。 親戚の小学生に、カブトムシを採ってくると約束してしまい、仕方なく親友を呼び出し共に出撃。 そして気が付くと、同じ道をぐるぐる回り続けるという異常事態に。 お盆直前の丑三つ時の山の中。 本来ならブルってるのが正しい姿なんだろうが、最近は怪奇事象に慣れたこともあり、この程度で怖がるのが馬鹿らしい。 「昔は庭みたいに駆け回ったもんだがな~」 「それはいいけど何当たり前みたいな顔してタバコ出してるのかな17歳」 「こういう時は一服するといいって中山の爺さんが」 「ってタバコ屋さんだから」 親友と掛け合いをする余裕もある。 「こういう時こそ霞さん連れて来りゃいいのに」 「虫苦手なんだって」 「…あっそう」 溜息と共に煙を吐き出す。と――― 「きゃぁっ」 小さな悲鳴と共に、真後ろの木の上から女の子が落ちてきた。 尻餅をついたまま咳き込んでいる彼女を、二人で慌てて助け起こす。 「大丈夫か」 「っ大丈夫なわけないでしょ!!」 手を払われた上に、キッと睨みつけられた。 どうやら煙をまともに吸い込み、むせた拍子に樹上から滑り落ちたらしい。 「ああ悪ぃ」 さすがにばつが悪いので、足で踏み消し、 「火事になったらどうするのよ!?」 「携帯灰皿くらい持ちなよ」 サラウンドで注意される。ああうぜぇ。 「ん、もう、とにかくあんた迷惑!とっとと帰って!!」 膨れっ面でわめかれた。仁王立ちはともかく、指差しは止めろ。 「いや、カブトムシまだ採ってないし。つかむしろお前のが帰ったほうがいいと思うぞ」 「いいのよあたしは!とにかくさっさと帰りなさいよね!!」 言いたいだけ言うと、少女はくるりと踵を返し、闇の中へ姿を消した。 「…あの子尻尾があったね」 「何だ、俺達を化かしてたのあいつか」 すっかり気が削がれた俺達は、結局そのまま帰路に着いた。 翌朝早く、少女の声が夢うつつに聞こえた。 「別に、あんたの為に採ってきたわけじゃないんだからね!また山に来られたら迷惑なだけだから!」 何のことかと思っていたら、直後、母親の絶叫で完全に目を覚ます。 玄関先に置かれた小さなつづら。その中には、うじゃうじゃとひしめき合うカブトムシ。 俺が母親に怒られたのは言うまでもない。
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【ジュピターはカブトムシモチーフなのか議論する組】 武田真也(ジュピター)@電脳警察サイバーコップ ジュピタービットの装着者。 ジュピターはカブトムシモチーフだそうなのだが、それっぽく見えないので、後述二人と議論することに。 wikiには赤色と書かれているが、どちらかというと白っぽい。 悪のカブトムシに襲撃を受けて散り散りになってしまう。 現在は記憶巻き戻し+サイバーコップ本編前の人格発生のため、議論のことは忘れてる。 甲斐 拓也(ブルービート)@重甲ビーファイター メタルヒーローシリーズ。 青いカブトムシのインセクトアーマーの装着者で昆虫学者。 知的で温厚で常に丁寧な言葉を崩さない性格だとか。 自然を愛する。 悪のカブトムシに襲撃を受けて散り散りになってしまう。 最近ゲキブルーといつのまにか合流した。 鳥羽 甲平(ビーファイターカブト)@ビーファイターカブト メタルヒーローシリーズ。 金色のカブトムシのネオインセクトアーマーの装着者。 スポーツ万能な熱血高校生であり、 子供っぽいところもあるので、多分カブトムシ議論の元凶はこいつかも知れない。 悪のカブトムシに襲撃を受けて散り散りになってしまう。 余談だが、ビーファイターカブトは、重甲ビーファイターの正統な続編であり、 物語が繋がっている。 さらにどうでもいいが、ジャンパーソン、ブルースワット、カブタックの世界とも公式で繋がっている。 カブタック@ビーロボカブタック 仮にもメタルヒーローシリーズ。 議論に参加したい。 赤いカブトムシロボット。 ドジで慌て者。 語尾に「~カブ」をつける。好物はスイカ。 友情パワーでスーパーモードに変形できる(3分限定) 「君の勇気がこの胸に、熱く響いていい感じ。ビーロボの一番星・カブタック!!」 悪のカブトムシに襲撃を受けて散り散りになってしまう。 現在スターピースを手に入れたスターピースがパチモンで「ですよねー」 アゴン@仮面の忍者赤影 昆虫怪獣。 議論には参加していなかった。 ジュピター達を乗せていたが、途中で天王星の破片の破片の激突し墜落、死亡確認。 【組員ではないカブトムシ】 兜折神@侍戦隊シンケンジャー 混沌たるカオスロワに現れたシンケンジャーの巨大兜虫。 折神というのは膨大なモヂカラなるパワーのプログラムみたいなものであり、変形合体できるのはそのせい。 変形合体するのに生身の生物って言い張るパワーアニマルや、恐竜から進化した爆竜よりかはずっと説得力がある。 砲撃ができる兜に変形可能なので、巨大ロボや巨大生物がいれば合体(というか装備)できるかもしれない。 シンケンジャーの面子を探していたところ、ゴジラのメガロって怪獣に激突した。 【悪のカブトムシ】 ボスローチ@仮面ライダーディケイド ダークローチのボスなのだからゴ○ブ○のモチーフかと思ったら、 コーカサスオオカブトムシがモチーフでした。 つーか着ぐるみが剣のコーカサスビートルアンデッドの使いまわし。 ロワの優勝を狙っている。 以前は仮面ライダーコーカサスに変身できたが、変身アイテム落としたのでできなくなった。 最終的に色々あって死亡。 メガロ@ゴジラ対メガロ 海の底、海底王国シートピアが、自国に危険を及ぼす可能性がある地上人を滅ぼすために差し向けた怪獣。 陸地に向かおうとしたところで、兜折神と激突した。 【野比玉子シンドロームの可能性が有り】 ラバーソウル@ジョジョの奇妙な冒険 カブトムシが食べたい人。 スタンド使いで、イエローテンバランスというスタンドを操るけど、 一言も言わない間に死んでいる。 決まってカブトムシ関連の話で死ぬ。 【一回こっきりのカブト達】 カブト虫ルパン@仮面ライダーX 数少ないラバーソウルの被害者。喋れただけマシである。 カブトロング@仮面ライダー 数少ないラバーソウルの被害者その2。 ショッカースクールを作ろうとした結果、新惑星は救われた。 【ぼっち】 城茂(仮面ライダーストロンガー)@仮面ライダーストロンガー 議論しているジュピター達の前に現れて、名乗った挙句どっかに行った。 ちょっと寂しい。 現在てん↑のう↓せい↑なるところにプリマクロンといる
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タ イ ト ル : タイワンカブトムシ 登 場 回 :第 99 回 放 送 分 類 :昆 虫 名 鑑 こちが捕獲した甲虫。「ドラゴン殺法」を使う強者。 捕獲後こちが元気が無いのでドラゴンフルーツを与えると、すごい勢いでドラゴンフルーツに ドラゴンスープレックス(別名:飛龍原爆固め《ひりゅうげんばくがため》をかける。 この技はカール・ゴッチから「強靭なブリッジ力があれば、フルネルソンの体勢からでも投げられると 言われたのをヒントに藤波辰巳が編み出した投げ技だが、こち家カブトが何故使えるのかは不明。 こちが目撃したのは、来たるクワガタとの頂上決戦のトレーニングの一環であると思われる。 1970年代には、「サイクロンカブトムシ」というイカス名前で売られていたナイスガイ。 更にもう一つ、レバーを1回転後パンチボタンで、必殺技スクリューパイルドライバーを放つ。 この技はコマンドが難しい為容易に決まらないが、全キャラ中最高のダメージを与える。 勝ちゼリフは「オレはあかきサイクロン すべてをまきこみ ふんさいするのだ」 逃走する為、羽ばたき過ぎて勢い余ってカゴにぶつかり こち子に「はばタン」の様だと評される。 ちなみに「はばタン」はヒヨコではなく、不死鳥です。 放送中にしばしばハシャギ過ぎて「こち家」の注意を引き付ける。今も元気にしているのだろうか? こち家以外のタイワンカブトムシの生態は、Wikipediaで! 外部リンク ------- Wikipedia -------- タイワンカブトムシはばタン
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名前 トリカブトムシ草 分類 不明 初出 ゲームオリジナル 捕獲レベル 不明 生息地 不明 概要 トリコ 爆食グルメバトル!に登場したゲームオリジナルの食材。 カブトムシのような形をしている有毒植物で、毒を抜いて調理すれば漢方薬になる。 関連項目 猛獣・食材図鑑(ゲームオリジナル)